フルオーダーギターって夢がありますよね。
過去に実際に作ったことがあるので、こういうところが大変だった、こういうところが良かった、などの所感をつらつら語っていこうと思います。
私がフルオーダーしたギターの写真も少し載せているので良ければ最後までご覧ください。
フルオーダーのメリット・デメリット
フルオーダーギターを考えている人で、ついつい良い所にばかり目が行ってしまうという人も多いと思います。
作ってみた感想として、メリットとデメリットを感じたので書いていきます。フルオーダーを検討している人は自分の中で改めて確認して、それでも作ってみたい!と思えるかどうか、しっかり考えてみてくださいね。
【メリット】
自分の理想とするギターを作ることが出来る。(メーカー、見た目、材料、パーツ)
世界に1本の特別なギターになる。
【デメリット】
費用が高い。
制作期間が長期に渡る場合がある。
ある程度の事前知識が必要になってくる場合がある。
実際にどのような音に仕上がるかは最後まで正確にはわからない。
メリットはやはり「自分の理想のギターが出来る」ということです。ギターブランドからシェイプ、カラーリング、材料の木の種類、塗装方法、ネジ1本に至るまで、あらゆるものが自分の思い通りに作れます。自由度が非常に高く、そこが最大の魅力となっています。
そして、意外と見落としがちなデメリットは、私自身、制作に着手してから気が付いたものになっています。費用については、どこまでこだわるのかを予め決めておくことや予算を組んでおくことで予想外に膨れ上がることを防げますが、他3つは「やってみないと分からない」ものになっていますので注意が必要です。
実際の制作の流れ
実際に制作した際の流れを大まかに説明します。
当時、私は信頼を置いている馴染みの島村楽器の店舗があったので、まずはそこにフルオーダーを検討していることを相談しました。まだ知識もなかったのですが、下記のポイントだけは決めてから発注しました。(括弧は実際に私が指定した内容です。)
①オーダーしたいメーカー・工房(Psychederhythm)
②ギターのシェイプ(Hollow-T Custom)
③予算上限
④持ち込みのパーツがあるのかどうか(ノブ持ち込み)
⑤その他譲れないこだわりポイント(ボディカラー、ピックガード、ピックアップ、ポジションマーク)
この情報だけは最低限準備して、ギターメーカーさんに制作してもらうことは可能か、どのくらいの納期になる予定かを確認し、見積もりを取ってもらいました。
予算と見積内でどのような事が出来るのかを入念に確認して、信頼できる楽器店に仲介をお願いして制作に着手しました。(この確認作業がかなり大事です。)
上記以外の内容、例えばパーツのカラーや塗装の方法・使用する木材などは、私自身に知識があまりなかったこともあり、楽器店と相談しつつ勉強して、制作進行しながら決めていったものが多かったです。
制作の中でこちらの要望により追加で発生した費用もありましたが、それ以外は当初の見積もり通りに進行しました。
制作期間については予定より伸びたのですが、理由は後述します。
制作進行中の様子
ここで当時の制作進行中の写真がいくつか残っていたのでご紹介します。
まずは一番時間が掛かった、ボディの色調整の様子です。当時は地方住みだったこともあり、ギターメーカーさんとはサンプルのやり取りを郵送で行っていました。
こちらの要望を元に、使用する木材と同じ種類の木に色を吹き付けたものに、完成形と同じフィニッシュの塗装を施したサンプルがいくつか送られてきました。
カラーカタログを使ってみたり、色番号を指定してみたり、色々と試行錯誤しましたが、なかなか納得できるカラーが出来ず、最終的にはオリジナルカラーを新調してもらうことになりました。
制作期間が予定より長くなった原因の一番の理由です。最終的にはお気に入りのカラーに仕上がったので、これだけでも個人的にはオーダーして良かったな、という気持ちになりました。
こちらはどんなギターにしようかの構想を練っていた時のメモです。
このパーツは何にしようか、どんな色にしようか、この素材を使うとどんな音の系統に仕上がるのか、そういったことを楽器屋さんと相談しながら絞っていった形になります。
完成・納品
発注時当初は約半年ほどで完成する予定でしたが、実際に完成したのは様々な要因もあって発注から1年1か月後になりました。
カラーの新調が一番の原因でしたが、情勢的に新型コロナウイルスの影響も受けていたため、予定よりかなり長期に渡る結果になりました。オーダーを検討している方はその辺りも注意した方が良いでしょう。
そうして完成したギターがこちらになります。
私の理想のギターが届きました。手にした瞬間の感動はもう・・・。メーカーさんに加え、仲介をしてもらったお店でも最終的な調整を行ってもらい、実用性に富んだ最高のギターになっていました。
ちなみに当たり前のことではありますが、実際にどのような音になるのかは完成するまでは分かりません。が、木材やフィニッシュ塗装、パーツによる音の系統は楽器屋さんに教えてもらっていたので、大きく違うことはありませんでした。この辺りは予想するためにもある程度知識が必要だったので、事前知識などに自信のない方は注意が必要かもしれません。
詳細な仕様やこだわりは話始めるとキリがないのでここでは省略します。ただ、完成した際にメーカーさんがブログにあげてくれていたので、もし気になる方はこちらからご覧ください!
↓↓
Psychederhythm-Blogより Light Gris Titanium MetallicのHollow T Customが完成!
さいごに
いかがだったでしょうか。
今回はフルオーダーギターって実際どうなの?と思っている方向けに感想や注意点を紹介してみました。どこのメーカーさんにお願いするかや仲介を挟むかどうか、またギターの仕様によっても実際の流れは変わる可能性はありますが、あくまで一例として参考にしていただければ嬉しいです。
ではまた!