制作作業を始める前に、クライアントとのお打ち合わせを行います。
構成やデザインイメージなど決めた後、デザイナーに制作依頼をします。
上がってきた原稿を元に、修正を何回か繰り返し、原稿を作り上げていきます。
この過程の中で一番恐ろしいことは、
上がってきた原稿を初めてクライアントにお渡しした際に、「イメージと違う」「もう1度出し直してほしい」などの指摘をもらうことです。
なぜ、このようなことが起きてしまうのか。
それは打ち合わせの際に、「ヒアリング」と「確認」が十分に行えていないからです。この2点が出来ていなかったために、クライアントとの間に「相互認識のズレ」が起きてしまっているのです。
そこで、今回はクライアントとの「相互認識のズレ」が起きないようにするための、打合せの際のポイントを紹介します。
使用用途を確認する【確認編】
まず、制作物をどのような目的で作りたいのか(例:30周年の記念誌として)、どのような目的で使用する予定なのか(例:会員のお客様にDMで郵送したい)、どのような効果を期待するのか(例:既存会員様の契約継続を狙って)、確認します。
なぜなら、使用用途と仕様がうまくマッチしてこそ、販促効果が得られると考えるからです。
また、制作途中で仕様が変わってしまうと場合によっては、紙面構成やデザインの総替えが必要になるため、初期段階できちんと仕様を決めることが大切です。
レイアウト(構成)を確定させる【確認編】
仕様が確定後、さあ!デザインのお話しを!となりがちですが、その前にレイアウト(構成)を決めておくことが大切です。デザイナーはそのレイアウトをもとにデザインを肉付けしていくため、後からのレイアウト変更が発生すると、デザインも再度やり直しになってしまう可能性があるからです。
自然の会話の中で詳細を擦り合わせていく【ヒアリング編】
仕様やレイアウトが確定したら、詳細を擦り合わせていきます。
クライアントの希望が明確な場合は、詳細の確定がスムーズにいきますが、クライアントに具体的な希望やイメージがない場合は、擦り合わせが重要です。
この時、注意しなければならないのは「クライアントを質問攻めにしてしまう」ことです。もしあなたが「どうするの?」「どっちがいいの?」と詰めるように質問されると、尋問されてるような嫌な気持ちになりませんか?それではせっかくの打ち合わせも台無しです。なので「質問」よりも「対話」を意識して会話を進めていくことがポイントになります。「こんなのはどうですか?」「最近はこういったものがトレンドで…」など自分の意見も折り交えつつ、クライアントの意見を聞き出せるよう対話として展開していきます。
このように、会話の延長線上でお互いの認識を擦り合わせ、仕上がりのイメージを確定していきます。
何気ない会話の中から大きなヒントを得られることもあります。
様々なアイテムを持参しておく【ヒアリング編】
アイテム=紙見本・デザインサンプル、のことです。
対話の中で「カフェっぽいおしゃれな感じ」や「銀行っぽいシュッとした感じ」など、クライアントから様々な希望のイメージが飛び出しますが、このように人によって捉え方が分かれるような言い回しには注意が必要です。
そんな時、実際の制作物やデザインブック持っていると実際に見せながら話ができます。実際に見てもらい視覚で判断してもらうことでイメージの違いを防いだり、「こういうデザインはちょっと…」「この部分は好き」など、クライアントのイメージをより突き詰めていくことができます。
確認を怠らない【確認編】
クライアントと楽しく会話できてよかった!ではなく、最後にきちんと打ち合わせで話し合ったことを再確認します。同じ話を二回するのはめんどくさいなあと思われる方もいるかもしれませんが、最後に確認をきちんと行うことで「相互認識のズレ」を防げます。
この時、クライアントの表情をよく見ておくことも必要です。何か言いたげな表情をしていたら、再度話し合いましょう。ここでのズレを見抜けずに制作に入ってしまうと、原稿が仕上がった時に大きな修正をもらうことになり、クライアントやデザイナー、そして自分にとっても防げたはずの、多くの時間を割くことになってしまいます。
まとめ
以上が打ち合わせの際に気を付けている点です。
正直、あまり難しいことはしていません。では、なぜ実際のお打ち合わせになると聞き忘れたり、確認し忘れたりしてしまうのか。それは多少なりとも緊張しているからだと思います。
お互いに時間を割いて打ち合わせをしているのですから、無駄な時間にならないように、と考えるのは当たり前です。しかし、一度深呼吸をして、「打ち合わせ」を「話し合い」という言葉に頭の中でシフトチェンジできれば、緊張は和らぐのではないかと思います。
何事もリラックスは大切です。