Illustratorでのピアランス機能は多種多様でテキストに線を入れて目立たせたりオブジェクトを変形させたりと便利な機能です。今回はピアランスの重ねがけによるちょっとした不具合をお話しします。
症状としては画像が非表示になってしまうというものです。順を追って説明します。
手順
まず、アートボードにEPS形式の画像を配置します。なぜかこの症状はJPEG、PSD、PNG等の画像では発生しないようです。「入稿時リンク画像の形式はEPSにしてください」と昔から言われているので厄介ですね。
配置後、画像にマスク(⌘+7)をかけます。 そして「効果」→「スタイライズ」→「角を丸くする」でマスクの角を丸くします。
次に「効果」→「パスの変形」→「変形」で「回転」の数値を入力してマスクに角度をつけます。
「アピアランスパネル」を見てみると「角を丸くする」と「変形」が反映されているのが分かりますね。
この状態でグループ(⌘+G)をかけます。
そして「効果」→「スタイライズ」→「ドロップシャドウ」で影をつけます。
「アピアランスパネル」を見てみると「ドロップシャドウ」のみの効果が表示されます。
手順は以上です。保存してフォイルを閉じて開き直すと…
リンク画像が非表示になってしいます。選択ツールで移動しても変わらずです。
この状態でファイルを画像書き出しすると非表示のまま書き出されてしまいます。
解除方法と解決法
マスクをかけている画像を選択ツールで少し動かし、取り消し(⌘+Z)をすると画像が表示されます。
ですがまたファイルを閉じて開くと再発してしまいます。解決法としてはアピアランスの重ねがけにグループ化を挟まずに、「角を丸くする」、「変形」、「ドロップシャドウ」を同じ階層にしましょう。
もしくはアピアランスを変更したくない、動かしたくない場合だと画像を埋め込むと表示されます。
まとめ
おそらく今回の症状は「アピアランスの重ねがけ」と「グループ」と「EPS画像」という条件下で発生するものと思われます。もし同じような症状が出た場合は参考にしてみてください。